和食文化から見える調理系専門学校の現在進行形
経済学者ドラッカーの提唱する『選択と集中』のモデルは少子化時代の専門学校経営でも光明を見いだすことができるのか?
少子化の煽りを受け、定員割れ→学校間のM&Aも少なからず見受けられる専門学校業界で、果敢にチャレンジを仕掛ける水野学園の次の一手は?
水野学園は、1966年に、これまで服飾分野ファッション系専門学校の中のワンパーツであった宝飾ジュエリーだけに特化したヒコ・みずのジュエリーカレッジを立ち上げ(1979年専修学校認可)、
さらには、2012年、日本初の自転車に関する専門学校開校と、道無き道を歩み続けるアイデンティティを持つ水野学園。
しかし、今回の一手は、東京に数多ある調理師養成学校に割って入った。その中でも、水野学園らしさは、『すし』『和食』に特化した点である。
東京すし和食調理専門学校は、本年4月に開校を迎えた。
調理系専門学校のスタンダードと言えば、半期なり1年目は、和洋中それぞれ学び、次のステージからコース選択するパターンと、始めからコースが設定されている学校の2タイプが主流である。
しかし、東京すし和食調理専門学校は、いずれにも非ず、徹頭徹尾『和』に特化した形態をとる。
とはいえ、洋・中を全て省くのではなく、授業の中では和との違いを比較し、昇華できるような取り入れ方をしている。食材の真価をそのまま活かすことは和の世界の王道であるが、その食材を生産ベースから関わる農業プログラムも導入されている。
時は折しも、和食がユネスコの無形文化遺産に指定されたこともあり、また東京オリンピック招致が決定したこともあり、などと他力本願で開校したのではない。
実は、それらが決まる前から開校のノロシは上がっており、逆に、社会情勢が追いついてきた形となった。
デザイン分野のパイオニアならではの気遣いは、学校の間仕切り、設え、調度品など随所にうかがえる。学校に一歩入れば、専門学校には似つかわしくないモダンさと洗練された瀟洒な大人の雰囲気に包まれる。
学校経営のビジョンに、ことさら温故知新を意識した訳ではないであろうが、日本文化が世界に拓かれる今日、これからの水野学園と“和”が織りなすコントラスは、業界人養成を主眼とする専門学校の枠には収まりきれない。
11月19日は、世田谷区を活動拠点とする放課後教室キッズベースキャンプ(東急グループが運営)の小学校低学年の子供たちを招き、「和食の日」企画イベント あつまれ!“和食キッズ”プロジェクトを共催した。
和食文化の普及啓発にも積極的にチャレンジする。
次世代の学生達が、さらに次世代の子供たちに学びの成果をシェアしあう。
ますます、東京すし和食調理専門学校の動向から目が離せなくなってきた。
水野学園のサイト→http://jewelry.ac.jp/
東京すし和食調理専門学校のサイト→http://sushi-tokyo.jp/
キッズベースキャンプのサイト→http://www.kidsbasecamp.com/whats_new/6447/index.html
11月24日は『和食の日』です。
何作りますか?何食べますか?