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進路・心理カウンセラーの学校選びと進路相談

オールアバウトの【学習・受験】【専門学校選び】ガイドが、学校選びの基準と受験対策のポイントをお伝えします。

今、話題の『放課後等デイサービス』と『通信制高校』の特徴と選び方

不登校の原因はいじめなどの人間関係の不振からくるものが多いと思われがちですが、発達障害を要因とするケースも少なくありません。しかし、様々な特性のある発達障害に対応して支援する教育機関も増えてきています。今回は、利用者が急増している『放課後等デイサービス』と、同じく進学者が増えている通信制高校について特色と選び方などをお伝えします。

 

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発達障害の特性と直面している課題とは

自治体ごとに行われる定期的な乳幼児検診から発達の課題を知ったり、また小学校入学を機に他者との違いを認識する機会が増えたりすることなどから発達障害について考えさせられる親御さんも多数いらっしゃることでしょう。

 

まずは学校の教育現場におけるいくつかの特徴的な事例を挙げてみます。

・教科や単元の理解に極端な差があり、学習障害は学びの好き嫌いがはっきりしている。

自閉症傾向が強ければ周りとのコミュニケーションを苦手。

・相対的にIQが低く、小学校低学年からの学び直しが必要。

・運動機能に難があり、手先の細かな動きやスキップなどの特異な動きが不得意。

・じっと座って学習することが苦手。

…上記以外にも様々な特性と課題をかかえている子どもが多数います。

 

厚生労働省が挙げる発達障害についての代表的なものは、自閉症アスペルガー症候群を含む広汎性発達障害自閉症スペクトラム)』、『学習障害(限局性学習障害)』、『注意欠陥多動性障害(注意欠如・多動性障害)』などがあり、具体的な特性と配慮についても記載されているのでご参照ください。(↓厚生労働省のサイト)

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/shisaku/jigyounushi/e-learning/hattatsu/characteristic.html

 

一人の先生が30人から40人の子どもを一斉にみて授業やクラス運営をしなくてはいけない従来の学校現場では、これらの特性に細かく対応することは難しいのが現状です。

 

逆に、次に解説する放課後等デイサービスと通信制高校が提供する教育サービスの共通している特徴は多数のスタッフで一人ひとりの子ども合わせた対応ができるということです。まさしく現在の学校現場の課題を補完する役割も担っているとも言えます。

 

合理的配慮を考える上で留意したい感覚過敏・感覚優位

感覚過敏・感覚優位と合理的配慮

 

|今、話題の『放課後等デイサービス』と『通信制高校』の特徴と選び方

  • 放課後等デイサービス

発達障害のある小学生、中学生に特化しているのが放課後等デイサービスです。各地方自治体も力を入れており、委託されている事業所、通所も全国的にみても増加傾向にあります。

 

所轄は福祉行政を担う厚生労働省となっていて、市区町村から委託を受けた認可事業者(NPO法人社会福祉法人・株式会社など)がやっている福祉事業となります。利用料については本人負担が1割となっており、残りは行政からの助成金で賄われます。小学校、中学校、特別支援学校などの放課後の時間帯で対応しており、1通所あたり10~15名ぐらいの児童生徒に対して4,5人のスタッフがサポートします。学校から通所、自宅までの送迎を手厚く行っている事業所も少なくありません。

 

ただし、利用に際しては、何らかの形で発達に課題があることの証明が必要とされていますので、最寄りの行政の福祉課などで申請が必要となります。まずはお住まいの福祉課などに問い合わせて、利用条件はどうなっているのか、どういう事業所がどういった場所にあり、どういう支援サービスがあるか確認してください。

 

塾が母体となっていて学習支援を主にしているところや、英語などの語学教育、またはスポーツや認知トレーニングなどに特化しているところなど、それぞれの事業所が差別化を図ったサービスを提供しています。

 

中学を卒業した後の支援機関としては通信制高校や特別支援学校などがあります。以前から公立の通信制高校はありましたが、30年ほど前までは勤労青年が多く、全国どこの学校も卒業率は低い状況でした。

 

近年、発達障害などが原因で不登校になった生徒に対応していた塾などが、普段の学びは塾において行い、私立の通信制高校と提携して高卒資格の取得をサポートする仕組みが確立されてきました。元々、塾で行われていた個別指導や少人数クラス指導などのシステムで一人ひとり違う特性にも対応することが可能でした。

 

ここ数年は私立の通信制高校の設立が急増しています。設置者が地域振興を掲げる地方の自治体とタイアップ(国家戦略特区)して運営されているところがあったり、大規模の塾などが新しく学校法人を設立したりするなどの動きがあります。

 

今どきの通信制高校に進学する生徒は、不登校発達障害に限らず、アスリートに専心している生徒や、通常の学校活動が難しいタレントなどが通っていることもあり、ここ数年で社会的認知度が高まってきました。

 

通信制高校の場合、教科書を活用した授業を受けることが必須ではなく、レポートと呼ばれる教科書を見ながら取り組む課題プリントを年何回か提出することにより、卒業できる仕組みとなっています。全日制高校に比べて、学習の質と量が軽いのが特徴です。本来は、日常の通学をしなくても済む卒業できるシステムですが(学校ごとに最低限の日数はあります)、月曜日から金曜日まで全日制の高校と同じく通学スタイルを主とする学校もあれば、インターネットなどのITインフラを活用し、オンラインのやり取りがメインになっているところもあるなど生徒の個別の状況に合わせたシステムで高校卒業をサポートしています。

 

通信制高校は、自分に合った学校選びができるという特性があるものの、学校ごとにコースや通学スタイルなどが数多くあり、何を基準にしたらいいのか分からない保護者や生徒がほとんどです。一般的な全日制高校は、偏差値や基準点を縦軸にして、学校が並んでいますので学力を起点とした学校選びができますが、通信制高校は、ヤリタイことへの対応(デザインコースやビューティーコースなど)や発達障害への対応など、横軸に並んでいるイメージです。

 

学校選びの基本は、

①学校パンフレットやホームページを『見る』

②合同相談会、個別相談会などのイベントに参加し、学校の話を直接『聞く』

③『見て』『聞いた』学校の中で子どもに合いそうな学校に、実際に子どもと一緒に足を使って見学、体験会に『行く』ことの繰り返しがとても重要です。

 

|『良い通所』『良い学校』よりも子ども特性に合った選択を

どのような基準をもって『良い』とするのかは保護者の考え、ご家庭の状況によってケースバイケースです。相対的な『良い』という基準よりも、お子様の特性を支点にして合う、合わないについて考えるとき、次の3点の『合う』を目安にして比較検討するとより親和性の高い通所、学校選びができます。

  • 人が合う(教員・生徒)

当然のことながら、教え、寄り添うスタッフがいます。それらの大人達との相性と併せて、通っている子ども達に溶け込めるか、馴染めるかも重要なポイントです。

  • システムが合う

通う日数や頻度、オンラインの活用の仕方、コースなどの特徴的な教育、費用なども細かく確認しておきたいところです。

  •  場所が合う

大人にとっては問題のないような電車の乗り継ぎや場所も、子どもにとっては拒絶反応が出る場合もあります。ただし、通学の時間を変えることで、ゆとりを持つことができたり、送迎がついていたりすることで問題とならないこともあります。また、近くに騒々しい施設があるのかを気にする子どもも少なくありません。

 

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|『合理的配慮』が行き渡る社会を目指して

どのような教育機関でも子どもの特性に合った支援や配慮が求められます。日本は2011年に国際条約である障害者権利条約に批准しました。それに伴い、国内法である障害者に関連する法律が制定されています。当然のことながら発達障害の課題を抱えている方も対象となります。これからの日本社会は行政、学校も含めてひとり一人の特性に合った配慮をしなくてはいけません。まだまだ課題は山積みですが、SDGsに取り組みも始まっているなかで、一人ひとりの違いを認め合う社会になってきているのではないでしょうか。

 

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